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自社ローンは本当に怖い?仕組みや安心して利用するためのポイントを解説

自社ローン は怖い

自社ローンは、銀行や信販会社といった金融機関を通さず、自動車販売店独自の基準で審査がおこなわれる支払い方法として知られています。

自社ローンに興味をもつ方の中には、「怖い」というイメージを強く感じているケースも珍しくありません。実際には、販売店の契約条件やリスクを正しく理解し、必要なチェックポイントを押さえていれば、大きなトラブルに遭遇しにくいです。

本記事では、自社ローンが怖いと言われる理由について、メリットや安全に利用するための具体的なポイントを交えて解説します。

目次

自社ローンは金融機関を通さない店舗独自の支払い方法のこと

自社ローンは、銀行や信販会社などの金融機関のローンと異なり、販売店が車両代金を立て替えて、利用者に分割払いで販売する仕組みです。

多くの場合、貸金業の登録をしていない自動車販売店舗が分割払いとして利用者と契約をおこなうため、法的には「貸付」ではなく「販売」になります。その結果、通常の自動車ローンの基準と異なるため、審査が通りやすいという利点があります。

しかし、販売店によっては、手数料や保証料などの加算が大きく、トータルの支払額が増えてしまうことがあるため、注意が必要です。自社ローンを利用する際は、自分の経済状況に合っているかどうかを見極め、契約条件を細かく確認する必要があります。

車を買う側としては、メリットとリスクを両面から考慮しながら、店舗の信頼性や支払い計画をしっかり検討することが大切です。

自社ローンが怖いと言われる6つの理由

自社ローンは正しく利用すれば安全ですが、さまざまな理由から怖いと感じる方も少なくありません。自社ローンが「怖い」という印象を持たれるのには、利用者にとって不利益になりかねないいくつかの要因が存在するためです。

しかし、これらの理由をあらかじめ理解しておくことで、リスクを未然に防ぎ、安心して利用することが可能になります。

ここでは、自社ローンが怖いと言われる主な理由6つ解説します。

①総支払額が割高になりやすい

自社ローンは、普通に車を買うよりかなりの割高になっている

参考:Yahoo知恵袋「車の購入に際して、自社ローンって怖いですか?」

自社ローンは、金利がゼロと謳われることが多いですが、その代わりに手数料や保証料といった名目で費用が上乗せされるのが一般的です。

この手数料などが車両本体価格の10%から20%程度に設定されることが多く、結果として銀行のカーローンよりも総支払額が高くなる傾向にあります。

また、そもそも車両価格自体が市場の相場よりも高く設定されているケースもあるため、契約前には、総額でいくら支払うのかを慎重に確認する必要があります。

②月々の支払い負担が大きい

年利が10%とかになる場合もあり、とても高い

参考:Yahoo知恵袋「ブラックの為、自社ローンで車を購入するか迷っている」

自社ローンは、支払い回数が12回(1年)や24回(2年)など、比較的短期間に設定されることが多くなっています。支払い回数が少なければ、その分1か月あたりの返済額は大きくなります

高額な車種はローンの対象外になることもあり、返済計画を立てずに契約すると家計を圧迫するおそれがあるため、注意が必要です。金額だけでなく返済スケジュールも事前にシミュレーションしておくと、無理のない支払いができるか判断しやすいです。

③完済前は車を自由に売却や譲渡できない

支払いが終わっておらず、所有者が自分ではないので売却できないと言われました

参考:Yahoo知恵袋「自社ローンの車を売却したい」

自社ローンを利用して車を購入した場合、ローンの支払いがすべて完了するまで、その車の所有権は販売店に残るのが一般的です。

これは「所有権留保」と呼ばれる仕組みで、万が一利用者の支払いが滞った際の担保として車が設定されています。結果として、ローンを完済するまでは自分の名義ではないため、車を自由に売却したり、誰かに譲ったりすることは認められていません

車検証の「所有者」の欄には販売店の名前が、「使用者」の欄には購入者であるあなたの名前が記載されることで、この関係を確認できます。

④希望の車が見つからない可能性がある

自社ローンで車の購入を考えているものの、欲しい車が見つからない

参考:Yahoo知恵袋「現在自社ローンで車を購入しようと思っている」

自社ローンは、おもに中古車販売店が提供しているサービスであり、そのお店が保有している在庫車両の中から購入する車を選ぶことになります。

そのため、新車や人気の高い高額な車種、特定のモデルやカラーなどを希望していても、お店に在庫がなければ購入できません。一般的なカーローンのように、好きな車を自由に選んでからローンを組む、という流れとは異なる点に注意しましょう。

もし乗りたい車が明確に決まっている場合は、希望の車種を取り扱っている自社ローン販売店を探すか、他の購入方法を検討する必要があります。

⑤整備不良の車が提供されるリスク

自社ローンで購入する車は、購入してすぐ壊れてしまうのではないか

参考:Yahoo知恵袋「中古車販売店で車の購入を検討している」

自社ローンで扱われる車は中古車が中心となるため、販売店によっては車の整備が十分に行き届いていないケースも残念ながら存在します。

審査に通りやすいという手軽さから契約を急いでしまい、整備不良の車を提供されると、購入後に思わぬ故障やトラブルが発生し、高額な修理費用が追加でかかる可能性があります。安心してカーライフを送るためには、契約前に整備記録簿をしっかりと確認させてもらうことが不可欠です。

また、どのような保証が付いているのか、保証の範囲や期間はどのくらいかなど、購入後のサポート体制についても詳しく確認しておくことが、リスクを避ける上で重要になります。

⑥車両にGPSをつけられる

自社ローンで車を購入しようとしたらGPSをつけると言われましたが、プライバシーは大丈夫でしょうか

参考:Yahoo知恵袋「GPSをつけるとか言われたんですが」

自社ローンを提供する販売店の中には、ローンの支払いが滞るリスクに備えて、販売する車両にGPSを取り付ける場合があります。

これは、もし支払いが滞納された場合に、販売店が車両の位置を特定し、速やかに回収するための措置です。また、GPSだけでなく、遠隔操作によってエンジンがかからなくなる装置が取り付けられることもあります。

支払いに滞りがなければ、車を回収されることもエンジンを止められることもないため、返済を守ることが大切です。

怖いだけじゃない、見逃せない自社ローン5つのメリット

自社ローンは手数料の負担や返済時には所有権がないといった理由から怖いと考える方も少なくありません。しかし、多くの人が自社ローンを利用しているのは、デメリットを上回るメリットがあるためです。

たとえば、金融機関のローン審査に不安がある人にとって、審査が通りやすい自社ローンは魅力的な選択肢となり得ます。自社ローンのメリットとデメリットを冷静に比較すると、自分に合った判断をしやすくなるでしょう

ここでは、自社ローンが持つ見逃せない5つのメリットを解説します。

①審査が通りやすい

自社ローンの最大のメリットは、銀行や信販会社のローンと比較して、審査が格段に通りやすい点にあります。これは、個人のローンやクレジットの利用履歴を管理する「信用情報機関」への照会をおこなわず、販売店独自の基準で審査を実施するためです。

過去に債務整理や長期の支払い延滞といった金融事故の経験があり、銀行ローンが通りにくい方でも、自社ローンでは、現在の収入状況などから「返済能力がある」と判断されれば、審査に通る可能性があります。ただし、誰でも必ず審査に通るわけではないという点には注意が必要です。

②金利がかからない場合がある

自社ローンは、法的には「ローン(貸金)」ではなく「割賦販売(分割払い)」の契約であるため、利息制限法の対象外となります。

そのため、多くの自社ローンでは「金利0%」を掲げており、利息によって総支払額が膨らんでいく心配がありません。支払う総額が契約時に確定するため、返済計画が立てやすいというメリットがあります。

しかし、金利がかからない代わりに手数料や保証料が車両価格に対して10〜20%ほど上乗せされることが一般的です。契約時には、手数料を含めた総支払額を必ず確認しましょう

③手続きのスピードが早い

自社ローンは、審査から契約までの手続きが販売店内で完結します。銀行ローンのような金融機関の審査がないため、待つ時間が短いのが特徴です。早いところでは、申し込み当日に審査が完了し、その日のうちに契約して車に乗って帰れる「即日納車」が可能な場合もあります。

急な転勤や生活スタイルの変化などで、すぐにでも車が必要な人にとっては、このスピーディーさは大きな魅力でしょう

④頭金なしでも利用できる場合がある

まとまったお金を用意するのが難しい場合でも、車を手に入れるチャンスがあるのが自社ローンのメリットの一つです。実際、頭金なしで契約できるプランを用意している自社ローンは多く存在します。通常、車を購入する際には、ある程度の頭金が必要になることが多いですが、その負担なく乗り出せるのは大きな利点です。

手元にある資金を車の購入で使い切ってしまうことなく、生活費や他の用途のために残しておけるため、経済的な余裕にもつながります

⑤他の借入が多い人も利用しやすい

信販会社のローンの審査では、総量規制が設けられています。総量規制とは、消費者金融などからの借入を年収の3分の1までに制限する法律上の決まりのことです。

他の借り入れが多い人は総量規制により、上限に引っかかるためローンが借りられなくなる可能性があります。

しかし、自社ローンは、貸金業法で定められている「総量規制」の対象外のため、これ以上借り入れが難しい人でも、自社ローンであれば利用できる可能性があります

自社ローンに適している人5選

自社ローンは「怖い」というイメージを持つ方も多いですが、実際には特定の条件に当てはまる人にとって有効な選択肢となります。自身の状況と照らし合わせて、自社ローンが自分にとって最適な選択肢かどうかを判断する参考にしてください

ここでは、自社ローンを検討する価値が高い人の特徴を5つ紹介します。

①過去の信用情報に不安がある人

過去にクレジットカードの支払いを延滞してしまったり、債務整理や自己破産を経験したりといった「ブラックリスト」の状態にある人は、自社ローンが適しています。

通常のカーローンでは、信用情報機関の情報をもとに審査をおこなうため、過去に金融トラブルがあると審査に通ることは困難です。しかし、自社ローンは過去の経歴よりも「現在の収入」や「今後の返済能力」を重視して審査をします。

ブラックリストといった理由で他のローンで断られてしまった経験がある人にとっては、自社ローンは車を持つための有力な選択肢となるでしょう

②すぐに車が必要で審査を急いでいる人

急な転勤や、家族の送迎、通勤などで、すぐにでも車が必要になった人にとって、手続きの早い自社ローンは便利です。銀行や信販会社のローンは、審査に数日から1週間程度かかることも珍しくありませんが、自社ローンなら最短で即日審査・即日納車も可能です。

「一括で購入する現金はないけれど、とにかく早く車を手に入れたい」という人にとって、自社ローンのスピード感は大きなメリットとなります。すぐに車を手に入れて、新しい生活をスムーズにスタートさせたい人に最適な方法です。

③非正規雇用で働いている人

アルバイトやパート、派遣社員、契約社員といった非正規雇用で働いている人は、一般的にローンの審査で不利になる傾向があります。金融機関はローンの審査の際に「収入の安定性」を重視するため、正社員に比べて審査のハードルが高くなってしまうのが実情です。

しかし、自社ローンでは雇用形態を問わず、現在の収入が安定しているかどうかを判断基準にします。そのため、非正規雇用という理由だけで他のローンの審査に落ちてしまった人でも、自社ローンであれば問題なく利用できる可能性が高いと言えます。

④勤続年数が短い人

一般的なローンの審査では、転職したばかりの人や、社会人になったばかりの新社会人など、現在の職場での勤続年数が短い場合も、不利になりがちです。

多くの金融機関では、ローンの審査の際に、最低でも1年以上の勤続年数を条件としている場合があります。一方で、自社ローンは勤続年数の長さをそれほど重視しない傾向にあり、入社から数ヶ月程度でも審査に通ることがあります。

新しい職場で働き始めたばかりで、すぐに通勤用の車が必要になったといったケースでも、柔軟に対応してもらえる可能性が高いです。

⑤複数のローンを組んでいる人

一般的なローンの審査では、年収に占める返済負担の割合が厳しくチェックされます。そのため、複数のローンを組んでいる方は、返済が難しいとしてローンが通りにくくなるケースも珍しくありません。

一方、自社ローンは、総量規制の対象外であり、現在の借り入れ状況よりも車のローンをきちんと返済できるか、という点を個別に判断します。

他社からの借入額が原因でローンを諦めていた人でも、利用できる可能性があるでしょう。

自社ローンを安全に利用するための6つのポイント

自社ローンは審査が通りやすく魅力的な選択肢ですが、利用方法を間違えると大きなトラブルに巻き込まれる可能性があります。たとえば、想定以上の費用負担や整備不良の車両を購入するなどが挙げられます。

このようなトラブルを避けるためには、契約前の確認作業を怠らず、信頼できる販売店を選ぶことが重要な対策となるでしょう
ここでは、自社ローンを安全に利用するための6つのポイントについて詳しく解説します。

①初期費用の確認

事前に初期費用の内訳を必ず確認しましょう。自社ローンを利用する際は、登録代行費用や自賠責保険料など、車両代金以外に各種コストがかかります。さらに、販売店によっては保証料や手数料が大幅に上乗せされるケースがあります。

総支払額だけでなく、初期費用の内訳が明確になっているかを必ずチェックし、予算を超えないように計画を立てましょう。見積書に不明瞭な費用項目がある場合は、納得できるまで説明を求めることが大切です。

②車両価格の相場チェック

自社ローンを利用する店舗は、車両価格を高めに設定して手数料分を回収していることがあります。

契約してから損をしたと後悔しないために、購入を検討している車種の相場を複数の情報源で調べ、明らかに割高になっていないか確認すると安心です。同じ車種でも年式・走行距離で値段が変わるため、一概には言えませんが、相場より高すぎる場合は、交渉や別の店舗で探すことも検討しましょう

③車検の残存期間

中古車を購入する際に意外と見落としがちなのが、車検の残りの期間です。購入した車の車検がすぐに切れてしまう場合、本体のローン支払いに加えて、高額な車検費用がすぐに追加で必要になってしまいます。

購入を検討している車の車検がいつまで残っているのか、また有効期限が切れている場合は、車検費用が車両価格やローンに含まれているのかを必ず確認しましょう。車検の残存期間が長い車を選ぶことで、購入後の急な出費を防げます。

④保証の有無と内容

中古車は新車と違い、前の所有者の乗り方やメンテナンス状況によってコンディションが大きく異なります。以下のような症状が見られる場合は、車のコンディションが悪化している可能性があります。

  • エンジンからカタカタ音がする
  • マフラーから白煙や黒煙が出る
  • エンジン下部にオイルがにじむ

故障したときの修理保証や無料点検などのアフターサービスは、販売店ごとに大きな差があります。保証期間が短かったり、電装系など一部パーツだけが対象外になっている場合もあるため、契約時には内容を具体的に確認しておくことが重要です。

⑤お店の評判や実績

安心して自社ローンを利用するためには、信頼できる販売店を選ぶことが大切です。

長年の販売実績がある店舗や、口コミサイトで良い評価が多い店舗は、車両の整備状況やトラブル対応がしっかりしていることが多いです。

逆に評判が悪い店舗は、納車後のスタッフの対応に問題があったり、契約時には説明されていなかった手数料を請求したりする場合もあります。自社ローンを契約する前に、店舗名で検索したり、SNSで実際に利用した人の感想を探すなど情報収集すると安心です。

⑥スタッフの対応

担当してくれた従業員の方が質問に対して誠実に回答してくれるかどうかや、利用者の収入や勤務状況をふまえた返済プランを提案してくれるかなどといった、スタッフの態度や対応力は店舗選びの大きな基準です。

あいまいな返事ばかりの店舗や、こちらの状況をまったく聞かず一方的に契約を急かす販売店は、トラブルの原因になりがちです。じっくり話を聞いてくれる店舗を選ぶことで、不安要素を減らしやすくなります。

自社ローンは怖くない!仕組みを理解し、ポイントを押さえて賢く利用しよう

本記事では、自社ローンが怖いと言われる理由について、メリットや安全に利用するための具体的なポイントを交えて解説しました。

自社ローンは、審査が通りやすく金利もかからない点から見ると、魅力的な支払い方法です。一方で、所有権や手数料の問題が生じやすく、リスクをしっかり理解しないまま契約すると、総支払額が予想以上に大きくなる可能性があります。安全に利用するためには、販売店の実績をチェックし、保証内容や月々の返済計画を入念に確認しましょう。

また、費用の内訳や相場を調べたうえで、納得できる条件を提案してくれるスタッフを選ぶことが重要です。焦らず比較検討して、自社ローンの利点を最大限に活かせる契約を見つけてください。これらのポイントを押さえることで、自社ローンは「怖い」ものではなく、車を持つ夢を叶えてくれる「賢い」選択肢となるでしょう。

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